「湿地」原作本



アイスランド映画「湿地」を見て、
映画としては時系列が分かりづらく戸惑ったものの、
ストーリーが興味深かったので、原作を読んでみました。


「湿地 Mýrin」
アーナルデュル・インドリダソン著

湿地本




・映画
ある夫婦の幼い娘が遺伝病に苦しみ亡くなるエピソードと、
孤独な老人の殺害事件の捜査を、同時進行に思えるやり方で進め、
そこに刑事とヤク中の娘の生活も挿入されているため、
ちょっと混乱する。

・小説
女の子の病気と死亡は、最後の方でわかるようになっている。


二つを合わせて映像で語るなら、もっと分かりやすくしてくれたらよかったな。
または、小説に忠実に最後に登場させて、事件に集中させて欲しかった。
刑事と娘の関係と中身の濃い会話は、小説でなら重要に思えるんだけど、
映画には入れなくてもよかったかも。


大きな不満

なんで、あるおばあちゃんの過去の強姦被害を、
不倫にしちゃったの??? それじゃ意味ないじゃん!
あれも強姦だったのに、だからこその悲劇なのに。



過去記事 ↓
映画「湿地」感想

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・小説全体の感想

映画で結末は知っているのに、
事件の謎解き過程が面白く、読みやめられなかった。
一気読みして目がくらむ。

娘を失った父親の苦悩もよく描かれてたし、
アイスランドの、一日でコロコロ変わるという天気の描写も、
例の、『羊の頭』の食文化も興味深く、
「湿地」というタイトルの意味も深く、
読んだ後に大きな充実感を覚えた。



日本の翻訳者が、
なぜ女性のひどい性被害を書くのかとアーナルデュルに聞いたら、

「性暴力は魂の殺人です。
それほどの被害にあった女性に、
内容を細かく話せというのは残酷すぎる。
私は、女性に対する暴力の正体を男たちに知らせたい。
これほどのことなのだと知らせたい。
犠牲者が恐怖と恥ずかしさで言えないため、
なかったことにされるのはやめなければならない。」


::::::まぁ、知らせても無駄だけどね、やる奴はやるし、
被害にあってもその後どうなるかわかるもん、言わないって。

でもこれは、「ミレニアム」シリーズの
スティーグ・ラーソンが言っていたことと同じだね。
すごく好きになったよ、アーナルデュル。

父親インドリディ・G・トーステンソンは、アイスランドの有名な作家だというので
検索したけど何もわからなかった。


面白かったから、
この人の作品で和訳されてるものは全作読むことにするわ。

「緑衣の女」「声」「湖の男」





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