「ぼくの伯父さんの休暇」「ぼくの伯父さん」



ジャック・タチが監督/脚本/主演の、
愛すべきキャラクター、ユロ氏が活躍(迷躍)する映画。

私は、最初の「ぼくの伯父さんの休暇」より、
2本目の「ぼくの伯父さん」の方が好きで、何回も見ています。


新聞の連載漫画が原作??と思っちゃう、
軽妙で微笑ましいユーモアに満ち満ちた作風。
無声映画のようにセリフは少なく、ユロ氏のおとぼけな動きや、
小道具の使い方、絶妙なカット割りなどで、クスクス笑いを誘う。



「ぼくの伯父さんの休暇」

原題 LES VACANCES DE MONSIEUR HULOT 1952年 フランス

主演
ジャック・タチ
ナタリー・パスコー
アンドレ・デュボワ
ヴァランティーヌ・カマクス


休暇


フランスのパッケージデザインの方が断然いいね。

休暇フランス



ヴァカンスの季節
ユロ氏はオンボロ愛車で海辺を目指す。
到着したリゾート・ホテルには、
夏を楽しみに来た滞在客達と、いつも不機嫌な顔の支配人がいた。

海辺で優雅にヴァカンスを楽しむ人々。
ちょいちょいおかしな問題を引き起こすユロ。

そして、夏の終わりは、
人々がそれぞれの家に戻って行く別れの握手で始まる。







ユロ氏初登場のこの映画。
ガタピシ騒音を立て、今にも分解しそうな車が走るだけで、
何だかこれ、可笑しい〜、って思える。
車でユロ氏のキャラクターを表してて、ここだけでユロ氏を愛しちゃう。

ユロ氏の歩き方、お辞儀の仕方、小走り、たまらなく可笑しい。
可笑しいと同時に、胸ががあったかくなるような親しみを感じてしまう。

テニスのシーンは、あのラケットさばきを
ついつい真似してしまう面白さ。

子供達の行動が、あーー、子供ってこうだよなと思い出し、
とてもいとおしい。

一抹の寂しさを感じるラストもいい。
夏休みが終わる寂しさ、夏が終わる寂しさ、
一夏だけの、親密で濃厚な場所や物や人との別れの切なさ。
でも、その寂しさを絵葉書にすることで、人生のひと時への愛に変えてくれる嬉しさ。


多分、この作品より「ぼくの伯父さん」の方が好きなのは、
夏が大好きで秋になるのが嫌でしょうがない私には、寂しさが辛いんだろうな。

この作品、タチは長年にわたり、何度も編集を重ねたそうです。


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「ぼくの伯父さん」

原題 MON ONCLE 1958年 フランス/イタリア

出演
ジャック・タチ
アラン・ベクール
ジャン=ピエール・ゾラ
ドミニク・マリ
アドリアンヌ・セルヴァンティ


出演: ジャック・タチ アラン・ベクール ジャン=ピエール・ゾラ ドミニク・マリ アドリアンヌ・セルヴァンティ


このパッケージデザインの方が断然いいね。

フランスDVD






オートメーション化された近代的な工場が自慢の、社長のアルペル氏。
新築の家も、超モダンな形式で、フル電化システム。
電気制御で家事をこなす妻の兄はユロ氏。
無職で独身の兄を心配し、会社で雇ってもらうよう夫に頼み、
結婚相手にと、お隣さんを招きホームパーティを開く。

一人息子のジェラールは、モダンな家も電気に振り回される生活も大嫌い。
仕事で忙しいパパと、家事とご近所付き合いで忙しいママより、
ちょっと変わった伯父さんといる方が楽しい。









☆前作と大きく違うのは、カラーということと、
建築、衣装、車、工場などの、デザインやカラーに凝った作品になっていること。



ユロおじさん
風来坊というのとも違う、風のように飄々と我が道を行く。
常に 『今 現在』を、その時の気分次第で生きている。
世の中のいろんなことは自分の流儀に合わない。
だからと言って声を荒げるでもなく、
「なんか、やだなぁ、おいらには向かない」と感じたら、スイと受け流す。

風のような人


「モダン・タイムス」でチャップリンが歯車に翻弄されたように、
ユロ氏は工場の機械にあたふた。

工場での、赤いホースがうねうねするシーンや、
形が狂ってしまうシーンも笑いどころだが、
もっと細かい、ちょっとした部分の可笑しみが好き。

工場での、犬と社長と従業員の流れ。
秘書の、タイトスカートとハイヒールのせいでのちょこまか歩き。
電化製品、モダン建築、モダン家具の不便さ、不具合さ。
お客様と判断した時だけスイッチを入れる噴水。

合理的で便利なはずの家の可笑しさを、豪快に笑う会長の妻に代弁させている。
このガーデンパーティのシーンで一番爆笑する。

(個人的には、この家はすごく好み



ユロ氏のアパートは、アルペル家とは対照に、
いい意味でハリボテみたいな可愛らしさなのに、
階段を上がって降りて曲がって、洗濯物干して、
ちゃんと立派に作られてるのが意外で笑える。
一連の家への出入りを、ワンカットで見せてくれてるのがおかしく可愛い。

犬達の使い方も、何とも上手くてほこほこ笑えてたまらん
犬たち、すごく幸せそう〜 (^ ^)


あーー、大好き


シリーズはまだ見ていないのもあるので、そのうち見たいです。
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ジャック・タチの娘さんは、二人とも、映画業界の人になっていたのですね。

タチが娘に遺した脚本をアニメーションにした素敵な作品
「イリュージョニスト」も大好きです。

「イリュージョニスト」過去記事








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