「サーミの血」




「僕のワンダフルライフ」と「サーミの血」
先週観ていたのだけれど、トロントの記録を優先してたのと、
救急車騒ぎがあったのと、溜まった録画の記録、と、
後回しにしてしまいました。


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凄くいい映画だった‼️

原題 SAMEBLOD 2016年 スウェーデン/ノルウェー/デンマーク

監督 アマンダ・シェーネル 

出演
マイ=ドリス・リンピ (クリスティーナ老齢)
ミーア・エリカ・スパルロク (ニェンナ)
レーネ・セシリア・スパルロク (クリスティーナ10代)
ユリウス・フレイシャンデル (ニクラス)
ハンナ・アルストロム (教師)



SAMEBLOD.jpg



1930年代 スウェーデン
ラップランド地方でトナカイを放牧して暮らすラップ人(サーミ人)は、
自分たちより劣った人種として、スウェーデン人に蔑まれていた。
サーミの子供達はほんの一時期、同化政策のため、寄宿学校に入れられ、
サーミ語を禁止され、スウェーデンの教育を受けさせられる。

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母、息子、息子の子供
三世代の3人が、母の妹の葬儀に出席するため、サーミの集落に向かう。
母は故郷の人々と確執があり、長年帰郷することはなかった。


エレ・マリャと妹のニェンナは寄宿学校に通う。
姉はスウェーデンに憧れ違う世界に憧れる。
妹はサーミのままでいたい。

姉は、教師の服を盗んで着てこっそり出かけたダンスパーティで、
スウエーデン人の若者に恋をするが、教師に見つかり体罰を受ける。
学校では、どんなに成績が良くてもサーミ人は進学できないと知る。

学校と故郷から逃げ出し、盗んだ服と荷物で、
姉は都会に飛び出す。







文明的なスウェーデン人からすると、
サーミ人は滅亡させてはいけない奇種の人種で、
調査と保護をしてやってる。という姿勢。

サーミ人は、自分たちはスウェーデン人とは別の民族で、
自分らの伝統を守り、家族民族は強く結びつくべきで、
外の世界を望む者は厄介者で裏切り者。
とはいえ、サーミ語を禁止し、自らを蔑む人間に育ててしまう、
押し付けのスウェーデンの教育に反抗はしない。自分たちを恥じているから。

このへんが、クリスティーナが故郷の人々を嫌悪する理由。

自分は、理不尽なサーミ差別に声をあげ、行動し、
人生の可能性を広げようと頑張っているのに、
故郷の風習思考は古臭いままなのが許せない。
故郷を忌み嫌う。

伝統とかしきたりとか民族衣装とかを大事にするっていうのは、
外から見ると大切なことのようだけど、
その中にいる人、一人一人がどう思ってるかは別。
とてもとてもクリスティーナに共感し、
がんばれ!がんばれ!と応援しながら観てた。


クリスティーナの言葉も、サーミの子供達の言葉も少なく、
言葉ではないところで、差別される人間の心情を浮き上がらせ、
それは雄弁。

クリスティーナの母親の複雑な心理、
自分の世代ではできなかったことを娘がしようとすることに対して、
反対と諦めと娘を失う覚悟、かすかな希望を持つ。

お気楽で優柔不断な都会のハンサム君、
ニクラスの、「家においで」を鵜呑みにして、
彼の実家に行くクリスティーナの純真さと度胸はすごいな。

***ニクラス君のママ役は、「ノーベル殺人事件」の美女
マリン・クレピンでしたーーーーー


ラストの凄みには感心するものの、
ね、やっぱり、血は否定できないでしょ? とでも言いたいなら大嫌い。
クリスティーナには、徹底して、自分の出生を憎んだままでいて欲しかった。



来日記者会見 動画

次回作でクリスティーナの残りの人生を描いてくれるって 




現在、サーミの子供達の自殺が多いって。悲しい

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姉妹は本当の姉妹であり、サーミ人。
老齢のクリスティーナ役女優は、サーミの劇団で役者をしているサーミ人。
監督の母親はサーミ人。
2015年にマイ=ドリス・リンピ主演で、
「Stoerre Vaerie」という、「サーミの血」のパイロット版を作っている。



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