「ハッピーエンドの選び方」




原題 MITA TOVA (良い死) 2014年 イスラエル

監督 シャロン・マイモン/タル・グラニット

出演
ゼーヴ・リヴァシュ
レヴァーナ・フィンケルシュタイン
アリサ・ローゼン
イラン・ダール
ラファエル・タボール


ハッピーエンドの選び方



舞台はエルサレムの老人ホーム

入居者の日常が描かれる

「神様 私は治りますか?」と電話をかける女性
答えるのは、同じホームに住んでいる発明好きの男性

もう殺してくれとせがむ夫の願いを聞いて、
妻は発明家に相談する
「手助けしてくれない?」

妻に隠れて別室の男と寝る元警察官は、
「奥さんと離婚して」と頼まれてもいつもごまかす

発明家が作った自分で死ねる装置は、人の役にたつ
数人だけの秘密だったのに、いつのまにか依頼が入るようになる






老いたらこうなる。こうなるのは嫌だ、と思うのが、
老人と死の問題を扱ったエンタメには多かったが、最近は変わったね。

人間誰でも生きてりゃじじばばになるから、
老化に伴う病気と死を公に語らないのはインチキ。
それらを描くスタイルに、ユーモアと優しさがあると、
老化と死への恐怖・嫌悪が少しは慰められる。

とてもリアルな映画でした。本当に、周りの老人たちは、
病気と死の話をよくしてるし、延命措置は嫌だ、病院で死ぬのは嫌だ、
とみんな言ってる。
作り物の映画だけど、そこにいる老人たちと死は、とても現実的。

好きな場面は、
認知症で裸で食堂に行った友人の気を少しでも楽にするために、
みんなで丸裸になった場面。
優しさとユーモアに溢れていた。

あと、さすが、老いてもケーサツはケーサツ、
小狡く抜け目がないところを入れてくれて、これもリアルで良かった。


この映画はハッピーエンドって言葉をつけちゃいけない。
「良い死」のままが正しい。

病院で管だらけになって無理やり機械で生かされ、
いつの日か感染症で死ぬよりも、
信頼できる人々に見守られて、自分でスイッチ押す死に方は、
とてもとても良い死だと思う。 死にたいなら死なせてやれ、と思う。

ひと昔前は、日本だって、
寝たきり状態の人を、家族や医者が殺してあげてた。
それで感謝されてた。罪の意識なんてなかった。
今だって犬や猫が重病なら、苦しませるより殺すでしょ。
私も、いざとなりゃスイスに行けば死ねるというのが、
心の支えになっている。この選択肢は大切にとっておきたい。


いい映画でした。

*イスラエルでは、無宗教で葬儀をしたいなら、
キブツでするしかないし、火葬はほとんどないとのこと。

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シャロン監督の
相撲がテーマらしい「A Matter of Size」 面白そう








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