「海を飛ぶ夢」 原作
▪️この前朝起きたら足つって、数日間つりっぱなしだなと思ったら、
肉離れだった様子。寝てただけなのに びーです
映画を見てからずっと、
読みたいと思いながら読みそびれていました。

ラモン・サンペドロ・カメラン。
ノルウェーの商船に整備工として乗り組み、世界中の港を旅したのち、
恋人の両親に会いに行く日(1968年8月23日)に、
高所から海に転落し海底に頭部を強打、第七頸椎を骨折する。
頭(脳)のみが健康で体は全部麻痺となり、その人生の苦痛から約30年、
自死の権利を主張し、スペインで初めて安楽死権利の裁判を起こす。
1998年1月、ある女性に手伝ってもらい、死ぬことができた。
ラモンが口にペンをくわえて書いた、手紙や詩などをまとめた本です。
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映画では、海に飛び込んでぶつかったように描かれていましたが、
本によると、飛び込んだのか落ちたのか、本人もよくわからないようです。
身を固める覚悟ができてない若者が、彼女の親に会うのを、
直前になってもまだためらって崖を歩いているうちに気がついたら落ちてた・・・
そんなとこ。
↑
ここで、冷たい私は、
ったく、彼女の親に会うと決めたのに、
(しかも処女みたいには恥じらうだかなんだか書いてある)いじいじしやがって!と怒り、
結婚なんて責任あることやめて、無料でやらせてくれる港で馴染みの娼婦んとこ行きたいな、
なんてぼーっと考えてたらしい所にかなりムカついた。
しかし、私は嫌われようとその場が気まずくなろうと、聞かれれば言うが、
普通はあんまり表立ってこんなこと言う人はいない事柄が、
怒りと絶望まじりで悟っただろう、ラモンの血を吐くような言葉で綴られているのが、
それはそれは気持ちよかった。
安楽死を批判し説教こく人々や神父に対する手紙でね。
『神は、絶対的な支配者になろうと、
恐怖で子供をしつける父親と変わりない』 そーだそーだ そのと〜りだ
『宗教が皇帝国王国家と手を結び、共通の利益を得ようとすると、
世界規模で組織化された犯罪に結びつく』
『死を前にすると人々は自分を欺き、もっともらしく死を否定する。
そこで社会に寄生する権力者たちは、死の恐怖を利用して人々を支配する』
『医者は痛みを利用する 神父は死を利用する』
などなどすべての章に、苦しむ者に対する、
くっだらない倫理観や専門家とやらのごたくにうんざりしたラモンの、
理路整然とした意見が書かれ、私が血を煮えたぎらせて怒り忌み嫌う、
権力者の本性・本質を暴いている。
この点、ものすごく爽快。
病気で苦しむ人に「自殺は駄目だよ」という人は、
自分がその病気になるなんて絶対ノーなくせにね。
世の中、病気や怪我を抱えて明るく頑張る人ばかり応援すんじゃねえ!
死にたい人だってその何倍もいるに決まってるんだ。
死にたきゃ死なせろ!
ラモン、死ねて良かったね。でも、もっと早く死ねたら良かったね。
映画「海を飛ぶ夢」
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