「アクトレス」


原題 SILS MARIA 2014年 フランス/ドイツ/スイス

監督 オリヴィエ・アサイヤス 

出演
ジュリエット・ビノシュ (中年女優)
クリステン・スチュワート (女優秘書)
クロエ・グレース・モレッツ (新人女優)

アンゲラ・ヴィンクラー




アクトレスuリエット



劇作家が受賞した賞を代理で受け取るため、チューリッヒに向かう女優と秘書は、
電車の中で作家の死を知る。
20年前、彼の作品「マローヤのヘビ」でスターになった女優は、
彼の妻に会い、死を悼む。

若い演出家に、「マローヤのヘビ」リメイク舞台出演依頼を受ける女優。
若い女に翻弄される中年女の役であることに戸惑うが、出演を決める。
役に合わせて外見を変え、秘書とシルス・マリアの山荘で役作りに没頭していくうちに、
役柄の関係と秘書との関係が重なっていく。








これは、中年期の葛藤に苦しむ女優の映画と言うよりは、
原題のとおり、シルス・マリアと言う土地と、
そこに現れる気象現象「マローヤのヘビ」の映画じゃないか?

<マローヤにかかる霧のような雲を、人生に照らし合わせる>
のが大人の解釈なのでしょうか。

私は、女優たちの映画とみられているこの映画が、
男のエゴの映画に見えてしまった。

なんていうのかなー、まず、
「マローヤのヘビ」という芝居を書いた男がこの作品に執着し続けた様子と、
新進気鋭の舞台演出家が、自分の解釈を、年齢に悩む女優の女心も理解できずに、
やんわりとスマートにだが押しつける様子ね。この二つ、すごく圧迫感。
歳をとることに絶望しているがそれを見せないように取り繕ってる女には、
誰が何をどう、いいように言っても、奥深くの苦悩は拭えないもんだ。
その苦しみから逃れるには、誰に何言われるより、自分が諦めるほかない。

常に冷静で思ったことをズバズバ言う、頭の良さを感じさせた秘書が、
マローヤのヘビを見に行った時に消えますが、
あれは、この作品の中でどう解釈すればいいのでしょう?
それまでずっと、リアルな描写を保ってきたのに、
幻想的な湖と霧に重要な意味合いを持たせ、
主人公の心理状態でも表しているのでしょうか?
(秘書との決別)

私は、せっかくの現実味溢れるお話なのに、なんだよこれ?
と気に入らなかった。
どうせなら、妊娠しちゃった秘書が山登りで流産したとか、
谷に落ちて死んだとか、ちゃんとした理由を見せて欲しかった。
曖昧描写でも大好きな映画はいくつかあるけど、これは納得いかなかった。

しかし秘書、女優の秘書のくせに、他の女優を「一番好き」とか、
他の女優の芝居を褒めるとか、私が女優だったら、そっこ〜クビにする!


★女優が授賞式に着たシャネルの黒いドレスの、
胸のところのフィッティングがぶかぶかですごくみっともなくて、
いいの?あれ、と気になって仕方なかった。


*劇作家が心酔していたという、
マローヤのヘビと呼ばれる、マローヤ峠にかかる雲の、
古いフイルムが流れます。

*劇作家の妻の顔が見たことあると思ったら、
「ブリキの太鼓」の魚食うママで、怖さを思い出した。


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シルス・マリアは、
車の入場制限がある、山と湖と谷の景勝地で、
トーマス・マンやヘッセやコクトーなんかが愛したところだそうです。

スイス政府観光局 シルス






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