「チャイルド44森に消えた子供たち」


原作を読んだ上での映画感想です。


トム・ロブ・スミス「チャイルド44 」
すごく面白くて、一気に上下とも読んでしまった。


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44




原題 CHILD 44 2014年 アメリカ

監督 ダニエル・エスピノーサ 

出演
トム・ハーディ
ゲイリー・オールドマン
ノオミ・ラパス
ジョエル・キナマン
ジェイソン・クラーク
ヴァンサン・カッセル

パディ・コンシダイン


森に





最初に言うと、ものすごく不満です。



あのーーーー、 旧ソ連人(ウクライナ人も)なのよ。登場人物。
なのに 英語。。。。。 原作は英語で書かれてるかもしれないけど、
もう、ここでサめた ガックリきた。当時、
ウクライナにはウクライナ語があるが、ソ連によりロシア語強制だったと思う。
トム・ハーディの、ロシア人になりきったつもりのロシア訛りの英語が、
おかしな逆効果になっちゃってるよ、これ。



大筋は、スターリン政権下のソ連の保安部員レオが、
子供の連続殺人事件に気づいて捜査を始める。
『偉大なる国家には犯罪は起きない』とされているから、
レオは、逆恨みされてる部下の策略で地方に左遷される。
それでも、政府の目につかないように捜査を進めるレオを、
部下が執拗に追う。

ややこしく感じるのは、しつっこい部下の追求と連続殺人の謎の、
どっちに重きを置いているのかわからなくなるから。









冒頭で、文章がでます。
「スターリン政権下、毎日2万5000人が餓死した」
*理由は、当時の狂った思想『資本主義の国々と違い、ロシアは天国。
飢えも犯罪もありえない』により、飢饉が起きても国は何も対策を打たなかったから。

当時の子供達がどれほど飢えていたか、大人たちがどれほど飢えていたか、
飢えのためにどんなひどい事が起きていたか、
そこんとこもっと映像で見せて欲しかった。原作のように。
犯人の「いつも飢えてて、森に猫を捕まえに行った。時には仲間も」
のセリフくらいじゃ、表しきれてないし、
犯人の半生の悲惨さも、レオの秘密も記憶の封印も省略してるし、
レオの妻の複雑な心理状態の変化も描ききれてない!

何より、レオと犯人の関係と、連続子供殺人のわけが、
まるっきり省かれてるじゃんか!


あの殺戮方法に大きな意味があるのに、映画だけ見てると、
なんで胃袋取ってるのかの理由を示してない。
死体の様子も違う。犯人との対面も全然違うーーーーーー

はしょってる部分が多すぎて、
原作とは全く別の映画と考えて見るほうがいい。


原作者はこの映画をどう思ってるんだろう?

それと、原作でも映画でも、
レオの妻の告白は衝撃内容になってるわけだが、
この時代は命の危険に直接結びつくが、
今の時代、ロシアに限らず日本でも、
『夫の(男の)機嫌を損ねることで、自分が被る被害への恐怖』
を隠して日常生活を平和に送っている妻はごまんといるに違いない。
もちろんあたしもね。

だからこそ、なんでセックスの時のレオの妻が、
あんなに固まった表情なのかわからない。
あれで妻の心境を表現したつもりなのかもしれないが、
本当に相手に恐怖を感じてたら、怒らせたくないから、
心を殺して相手が望む反応を演技するよ。それが怯えている女だよ。
夫が相手でも客が相手でもね。



原作で恐ろしかったのは、当時の教育現場の様子。
・小学校の教師が、子供たちの名前を覚えないように決めたワケ。
 名前を覚えると、いつか告発する日が来るかもしれないから。
 (何もしてなくても一度尋問されたら誰かの名前をいうハメになるから)
・子供たちが、教師に自分を覚えられないように目立たないようにしているワケ。
 (大人たちを見ていて、いつの日か告発されるかもしれないとわかっているから)


原作者は、綿密に調査の上で書いたそうなので、
どれほど頭おかしい国だったか、想像を絶するよ。ほんと
子供の殺害については狂人アンドレイ・チカチーロの犯罪捜査の本、
「子供たちは森に消えた」を参考にしたようです。


子供たちは森に消えた











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