フェルディナンド・フォン・シーラッハの虜 2


元弁護士のドイツの小説家フェルディナンド・フォン・シーラッハ。

「コリーニ事件」もやはり一気読みしてしまいました。目に悪いです。


いやー、まいった。すごかった!

まさかこんな方向に行くとは!こんな事実があるとは!な読後感。
重いです 他の作品にも増して重いです。
重い暗いものに共感し想像を巡らすのが好きなので、
ものすごく好きです、シーラッハ。

詳しいストーリーは書きません。
あとがきにあったシーラッハのことを書きます。

このあとがきを読むまで、散々人の裏表を見てきた弁護士が、
行き着いた先の人生観人間観を元に物語を書いていると思っていたけど、
もっともっと重大なことがあったんですねー。

「ドイツのミッション系エリート校のクラスメイトには、
ヒトラー暗殺計画で処刑された人物の孫、ナチス高官の孫が何人もいた。
私の祖父は教科書に載っているナチ党全国青少年指導者だった」

クラスメイトもシーラッハも、その時まで祖先のことをよく知らなかったそうです。

自分の家族が、家族の前以外で何をしていたかを知ってしまったら、
人間、犯罪、罪悪、人生、をこのように考えるのも当然ですねー。




訳者によると、「犯罪」の原書のあとがきに、
このようなことを書いているのです、シーラッハは。

「人間は生涯 薄氷の上で踊っている。
その下は冷たい水で 落ちればすぐに死ぬ。
私が関心を持つのはその瞬間だ」


だね、ほんと そうだね。

しかし、その反面「美が人生を救う」とも考えているそうです。
だから、画家や写真家が出てくる作品を書いているのでしょうね。


薄氷が割れないように、頑張って意識して生きようっと。


*「コリーニ事件」発売後、問題の法律を見直すため、
ナチス時代の過去再検討委員会が2012年に発足されたそうですが、
結果はどうなったんだろう?


シーラッハの7月刊行新作「テロ」の朗読劇が日本で開催されます。
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東京創元社WEBサイト











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