フェルディナンド・フォン・シーラッハの虜


AXNミステリー放送
「犯罪」「罪悪」を見てドラマの面白さから原作を読み、
文章と作者の思考がとても好みだったので、
1日一冊のペースで四冊読み終わりました。

日本語翻訳出版されている作品は、後一冊「コリーニ事件」のみ。
これも今週中には読む予定。

全て 酒寄進一翻訳 東京創元社出版
犯罪 Verbrechen 
罪悪 Schuld
コリーニ事件   Der Fall Collini
カールの降誕祭 Carl Tohrbergs Weihnachten
禁忌 Tabu  Die Würde ist antastbar





「悪童日記」三部作のアゴタ・クリストフの文体、スタイルを思わせる、
簡潔で無駄を省いた鋭い文体そのものが、
こちらの胸をはやらせ、息もつかせぬ緊張状態に陥らせる。

出来事のなぜ? の疑問に答えを出すのは読んでいる私たち。
人間心理への深い洞察と想像力を必要とする。


日本での発売において、素晴らしいのは装丁。

柳智之 信濃八太郎  タダジュン
三人三様のイラスト・版画が、作品の世界を象徴しています。

特に「カールの降誕祭」は、表紙だけじゃなく、
本文にも版画が随所に配置され、そのイメージはまるで最高最悪夢映画、
「ババドック」のようですっ 手に持ってるだけで呪われそうですー

*ただ、私は原書の表紙イラストの方が好き。
シーラッハの作品のテーマ、「罪」は、どの作品の根底にもあるから、
統一されたシリーズイラストにした方がいいと思うから。


カールの降誕祭




唯一ドイツの原書と同じにしているのが「禁忌」。



禁忌


この写真の仕掛け
ね、ね、光と影だけじゃなくて、顔も右左で。。。でしょ??

シーラッハの信条、
人間の二面性、物事の裏表、真実と現実の違いを表現しているようです。

目に見えるだけが全てじゃない、のね、人間も犯罪も。



「禁忌」は、去年日本が世界初舞台化して、上演されていたんですねぇ。
シーラッハはその時に来日していた!なんてこったパンナコッタ、知るのが遅すぎた。

「禁忌」のあとがきに、
<日本の読者のみなさんへ>ってあった。
良寛の、『うらを見せ おもてを見せて散るもみじ』に、
真実、悪の本質といった問いへの答えは求めても無駄、
あるのはもみじ、おもてとうらを見せて散るだけ。と書き、
人間の美点と残忍な行動を見るにつけ、
悪を問うより、肝心なのは人間そのものだと書いている。

20年間、諜殺と故殺で追訴された人間を弁護してきた経験からの結論ですよね。




新作「テロ」は、日本ではまだ発売されてないですが、
すでに世界中で上演されているそうです。
出たら必ず読みます。


「犯罪」過去記事

「罪悪」過去記事


ついでに
「ババドック」過去記事







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