「ライアーズ・ポーカー」


マネー・ショートの原作を読んではみたが、
金融用語がまったく理解できず諦め、悔しいから処女作を読んでみた。

「ライアーズ・ポーカー」
Liar's Poker: Rising through the Wreckage on Wall Street.

著者マイケル・ルイスがソロモン・ブラザースに入った経過と、
ソロモンでカネ稼ぎする方法と、稼ぐ人間について、
人物を実名で書いた本。

タイトルのライアーズ・ポーカーとは、
ドル紙幣に印刷されている通し番号で賭けをする騙し合いゲームで、
当時のソロモンの会長副会長は、100万ドルの賭けを持ちかけたりする。

ライアーズ・ポーカー


投資銀行というやつが一体何を仕事として、
どう利益を上げているのか、ぜーんぜん知らなかったが、
本を読んで受け取った印象からすると、
マルチ商法や詐欺やバクチを取り仕切るやつらと変わらないんじゃない?
変わらないっていうか、そのもの?

しかも、人生で一度たりとも会いたくないような人間性の持ち主こそが、
銀行内での成功者になるんだわ。
著者曰く、<人間ピラニア><ならず者>


面白かったのは、マイケルがソロモンの研修生として受けた研修の部分。
講義に来るソロモンの上の人間たちときたら、
「くされ〇〇をくされ〇〇に売るにはクソ〇〇にくされ〇〇を見せウンヌン」
と悪態(多分くされやくそは、シットやファッ×よね)つき、
海外の政府の経済政策に対して
「くされカエルどもがてめえの面の皮を引っぺがしてる」と評価し、
ヨーロッパ労働者の労働時間について
「ヨーロッパ穀潰し連合」と呼び、
研修生はひよっこどころか奴隷扱い、人間以下の扱い。

研修を脱落せずになんとか正式に働き出した新人なんぞ下等動物。
人間になるには、いかに相手(客)にカネを出させ、
会社に大金を儲けさせるかしかない。


カネを儲けたいと思っている人間にカネを出させるためには、
騙しのテクニック(口車)を磨くことが全て。
つまり 思いやりやモラルや良心は抹殺しなければならない。

「客になるために生まれたやつがいる」(客=投資家)
「客というのは実に忘れっぽいものだ」
「あのカエルども」(カエル=客)


研修生の中で6人の日本人が出てきますが、
情けないことこの上ない。
他の研修生が、何分で眠りだすか賭けをするほど、
毎講義全員眠っている。休憩時間は群れている。
マイケルの推測では、英語がわからないんだろう、と。


投資銀行の部門の違いも興味深かった。(1980年前後)
株式・・・・・・・客に取り入るしかない底辺の部門 ここに配属されたら負け犬
債権・・・・・・・研修員を思うままにいたぶり、客を従わせる勝ち組

70年代にはバカにされていた部門 モーゲージは、
その後カネの稼ぎ頭となり、稼がない奴らには横暴に振る舞うべしと成長する。


すごすぎて 
フィクションかと思っちゃうくらいなトレーダーたちの言動の数々。
稼いだカネのみで自分の値打ちを知る人たち。


はぁ〜・・・・・・・  事実は小説より奇なり


でもまあ、高学歴の人間しか雇わなくなる前の、
いい意味でいい加減な人事
*とりあえず手近にいるやつを引っ張る 小学校出てないやつもいた
いい加減な経費の使い方
*部下の妻の入院費をポンと出す

これには、契約が全てで規則に厳しいイメージの会社組織には無い、
人間としての心意気を感じ、いい時代という言葉を感じた。




マネーショートよりこっちの方が断然理解できた面白かった


作者の小説で映画化された「マネー・ボール」は、
野球に興味ないし野球を数字で分析なら
なおさら理解できないに決まってるから手を出さないでおこう。






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