「マイケル・ムーア、語る。」 その1


私が尊敬する人間の中でも、理想の夫像と思っている
ドキュメンタリー映画作家マイケル・ムーアの2013年出版の本を読んでます。


原題 Here Comes Trouble



全編ユーモア精神にあふれた文章になっているとは言え、
マイケルの半生記が始まる前、エピローグに書かれた章が凄まじい。
2003年のアカデミー受賞式で、「ボウリング・フォー・コロンバイン」が受賞した時の
マイケルのスピーチ直後から始まった、アメリカ国民のマイケルへの憎しみ。
家の前に馬糞を積まれ、ゴミをまかれ、脅迫電話・手紙を受け、罵声を浴びせられ、
殴りかかられ、熱いコーヒーをかけられ、爆破計画を練られ、
ニュース番組の司会者は「マイケル・ムーアを殺したい」と発言する。


ちょうどアメリカ中が戦争に賛同してる時期、
「僕らはノンフィクションが好きだけど、社会は偽物であふれている。
偽物の選挙で選ばれた偽物の大統領が偽の理由で戦争を始めた」というスピーチ。
ミスター・ブッシュ シェイム  なんとかなんとか
「ブッシュ!恥を知れ!」





マーティン・スコセッシ、メリルは拍手したが、
ブーイングされて舞台袖に強制退去させられたムーアに向かい、
「アスホール!」と吐き捨てたスタッフもいた。
ロバート・デュバルは、マイケルを泊めたホテルに文句言った。

これ、嬉しかった。私の好きな人が拍手で、嫌いな人が文句だったから。



Here Comes Trouble



とにかく、この人が思うことやることは、いちいちうなづくことばかりで、
記憶にとどめておきたいことが多すぎて、忘れないように書き留めたら長くなる。
数回に分けて書いておくことにします。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


*マイケルの半生*

母のお産の日どころか、両親、祖母祖父、最初にアメリカに入植した先祖にまで遡り、
マイケルの血に流れて、受け継がれているものが書かれています。
個人的な自書伝を超え、壮大なアメリカ近代史になっています。

祖父の時代の人種差別、カトリックとプロテスタント間の争いは、
現代の感覚で読むとばかばかしすぎて、失笑するくらい狂ってる。
父親が、戦争に行った時の体験を息子マイケルに語る部分には、
戦争の現場の、やはり頭おかしい真実に開いた口が塞がらない気分に。
マイケルが生まれ育った時代(1950年代〜)の、
アメリカとミシガン州の社会通念、人種問題、学校や家庭の詳しい描写もある。


頭のでかい赤ん坊だったマイケル、政治とカトリックに熱心な家庭に育ち、
一年生の時すでに、校長に飛び級させたいと言われるほど利発な子だった。

徴兵事務所に行き、ベトナム戦争に送られる若者の記録を破り捨てる神父や、
キング牧師と行進して逮捕される神父をテレビで見て、
なんとなくいいことをしてる気がして、「俺もああいうことをしたい」と神学校に入るが、
宗教の授業で次々に浮かぶ疑問を神父やシスターにして、
「君は質問しすぎて他の生徒を混乱させる」「君に耐えなきゃなならない人々のために祈る」
と退学させられる。

*マイケルの質問*

・マグダラのマリアとか聖母マリアとか女性がいつも身近にいるのに、
どうして女性は司祭になれないんですか?
・イエスはカトリック教を始めるとは一言も言ってない。
新しい時代のユダヤ教にすると言っただけなのに、カトリック教という考えはどこから来た?
・イエスがキレたのが神殿で金貸しを見た時で、怒って追い出した。ここから学べる教訓は何?
・イエスがここにいたらベトナムに兵士を送ったか?
・聖書にはイエスの12歳から30歳までのことが書かれてない。どこ行ってた?

そして、なぜ神父はセックスしちゃいけないかにも疑問を持ち、
四福音書を全部読み直したところ、どこにもどこにも!
”結婚やセックスを禁じられたとは書いてなかった”し、
カトリック教の神父が最初の千年は結婚してた。11世紀に、ある神父が勝手に禁じた、
ということを知る。


神父の一人が定期購読していたフランスの雑誌では、
”女性たちが、夏は涼しく過ごす”ものだと知った。

小さな水着とかトップレスビーチとかミニスカートとかってことでしょうね。


”それにしても旧約聖書の神ってのはいつもやけに機嫌が悪かったみたいだな。
しょっちゅう部族を全滅させたり、人を鯨の胃の中に入れたりして、
性格に問題があるんじゃないか” という文が可笑しい。



まだまだ先が長い、濃厚過ぎて読み進むのが遅くなる。
続きはまた数日後に書こう。

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5月27日〜公開 ムーアの新作
「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」WHERE TO INVADE NEXT

絶対見るーーーーー!!!

放送映画批評家協会賞ドキュメンタリー賞ノミネート


マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」公式サイト


マイケルムーアの


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