「部屋」 (映画ルームROOM原作)


▪️過去記事をだいぶ消した理由は、当時見知った人でタイホされた人が出たから,
その近辺のことを亡きものにしたかったからです
 びーです▪️



「ルーム」が高評価です。
日本では4月から劇場公開になりますね。

映画公式サイト


著者エマ・ドナヒューは、
世界のあちこちで起きている誘拐監禁事件から着想を得たそうです。


部屋エマ



映画の結末はどうなってるかわからないけど、
監禁から逃げた母と息子の生活も予告編で明かされてるから、
特にネタバレを意識せずに感想を書きます。

その前に、この小説の特色を。
物語は最初から最後まで、
誘拐強姦犯の精子で妊娠させられた息子ジャックの文章で綴られます。
原文は、5歳児の語彙・外を知らない子供の言葉として、擬態語や擬音語を多く使い、
最上級をてんこ盛りに重ねたり、ユニークな英語表記で書かれていて、
翻訳者がその特徴を日本語に生かして訳したそうです。

例えば
「言う」は「ゆう」に、「思い出す」は「おぼえ出す」
小さい「つ」はわざと抜かす、カタカナとひらがなを多く使う、など。

大人にはちょっと戸惑う文章ですが、読んでいくうちに、
ジャックの言葉使いのクセやルールのようなものを察することができるようになります。
また、ジャックの直筆としての文字は、幼児ならではの歪みにしていて、可愛らしい。

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ストーリー

ボクはジャック5さい
<へや>でママと遊んだり絵のついた本を読んだりする
トケイが09:00になると、ボクはオールド・ニックとゆい、
ママが<あいつ>とゆう人が<へや>に入ってくるから、
ボクは<洋服だんす>に入ってスイッチをオフにする
ギシギシする音を終わるまで数えて、
オールド・ニックが<へや>からいなくなると、ママのベッドに入ってもらう
左のほうがクリーミーで美味しい
オールド・ニックももらうのかなー?

<あいつ>はしつぎょうして家が抵当にだから
ボクとママをどうするかママは考えて<外>の本当の事ボクに話して
ママが<脱シュツする>から病気のフリするプランAをやった
オールド・ニックは病院に連れて行かないからプランB<死ぬ>フリをやる

トラックが止まったら走って逃げて<ケイサツ>で<ママをスクウ>

<外>は本物だった
人間がいっぱいいる
音がいっぱいで耳が痛い
<クリニック>のベッドは二つだけどボクはママと寝る
ママは<へや>のことは忘れていいとゆう
ボクは<へや>より<外>がこわい
ママは一つしかのんじゃダメの薬をいっぱい飲んだ
ボクはママが回復するまでおばあちゃんの家に行く

ママがおばあちゃんの家に来て<自立支援住宅>でボクと二人で住む



感想


赤ん坊が産まれて、この子に怖い思いをさせない、
<あいつ>のことは話さない、自分がどんな状況にいるか知らせないと決め、
一歩も外に出ない誰にも会わない小さな部屋での生活を、
子供が毎日健康で楽しく生きられるようにする。
母親の努力に感心した。

母親の怒りはとてもよくわかる
<あいつ>への怒りだけじゃないの。
生還した自分たちへの世間の勝手な思い込みに怒る。
<あいつ>に情が芽生えたと疑い、赤ん坊をなぜ外に養子に出してくれるよう頼まなかったか訝る。
『お子さんに、普通の家族の元で普通の子供時代をおくらせた方がいいと思わなかったんですか?』
『遊園地にも行けるのに』

母親「なぜみんな遊園地って言うんですか!私は子供の頃遊園地なんか大嫌いだったのに!」
私は子供の頃大嫌いだった場所が遊園地だったので、ここですごく共感した。
うるさくて汚くてこわいものだらけで、足が痛くなって迷子になって、
子供は遊園地に連れて行けば楽しがると思ってる大人たちを嫌った。
祭りも同様だけど、遊園地にある食べ物は汚いと思って食べたくなかった。

ジャックが、お金(コイン)を見て疑問を持つところが面白かった。
「なんで5なのに10より大きいの?1も10より大きい。そういうのおバカだと思う。」

私の大好きな絵本「ぼく にげちゃうよ」が何回も出てきて嬉しかった。



著者マーガレット・ワウズ・ブラウン

ぼく逃げちゃうよ



私は、トラウマというものは、どんな治療をしても生涯消えないと思っている。
脳の古い記憶の部分を電気かなんかで物理的に消さないとダメだと思う。
ので、この母と息子が<外>の生活に慣れても、苦しみは増幅されて続くと思ってる。


*どうもジャックに同情でききれないので、なぜなんだろうと考えてみるに、
しょっちゅう「おばかなペニスが立つ」からだと思う。
子供でもオスはオス、それを思うとどうしても可愛そうに思えない私は冷たい人間。


著者の言葉

「私は犯罪を書きたかったわけでも犯人の凶暴性を書きたかったわけでもありません。
困難な状況で生き抜こうとする母と子を書きたかったのです。
子供の視点から語らせれば、ホラーやお涙頂戴にならない。
グロテスクは物語を書く意味は、”正常なるもの””普遍的
なるもの”の本質に光を当てることにある」


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犯罪の犠牲者が、長年の虐待に耐え自力で脱出する内容の小説を、
アメリカ映画にするとなると、やはり感動にもって行くわけでしょうね。

小説を読んだ限りでは、感動は湧きません。涙、0です。
母親の怒りと息子の戸惑いばかりを感じ、
こりゃ、今後は大変だなー、と心配になって終わりました。

褒めてるのよ、感動寄りになってないところを、褒めてるの。






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