「ランナウェイ・ブルース」追記


原題はシンプルに、兄弟の生活ぶりを表すモーテル・ライフだが、
想像力の乏しい(と、馬鹿にされてる)日本の観客には、

「ランナウェイ」という、昭和の耳になじみのある言葉と、
「ブルース」とつけとけば、なんかしゃれてる、音楽好きの琴線に引っかかる、
と甘く見られて、この邦題となりました。

結果、なんだかセンチメンタルな映画のような気がしてしまう。
センチメンタルではないな これは。
貧しさの連鎖、貧しさの悲劇、貧しいけれど思いやりを持って生きている、
根本は善良な若者たちの素朴な人生を、ありのままに綴った作品。

寒くて暗い冬のリノが、兄弟の人生そのもののようです。


LIFE.jpg


<ネタバレ込み>

最初の数分、第二次世界大戦で兄さんは・・・ のアニメと、
兄が少年を車でひいてしまった、ひいて通報もせず弟の所に来た、
ここんとこで、「なんじゃ?時代、どうなってるの?」
「え?警察に言わなきゃだめだろ?」と一瞬思うかもしれません。

しかし、話が進むうち、あー、あれは弟の作り話ねと解る。
兄、死んじゃった子を病院には置いて来た、それだけで精一杯だった、
そして、携帯も無い時代だった。と解る。
とは言え、ひき逃げはよくないよ、味方しちゃだめだよ、
だけど、この兄弟、義務教育もちゃんと受けられなかった、
社会通念や世間の常識を学ぶ機会も無かった、
一番のポイント、離れることは出来なかった。
(ここで兄、自殺を決意するが、勇気無かったのね)

通報=逮捕=離ればなれ だからね。とっさに逃げるのは理解できる。

被害にあった不幸な少年が、身寄りのないたらい回し里子だったことで、
兄弟は本当の親をさがして、お詫びに行こうと思うの。
その良心はあるの。でも、逃げたらどうなるかまでは考えがつかないの。
『無知の罪』?ってやつ?

無知と言えば、弟の体調への何もしなさは、
病気を知るのが怖いという気持ちだけじゃなくて、
やはり「知らなさ」もあるのだと思った。


ラストがいいのよねぇ〜

不幸のどん底と思ったら、とどめの不幸があって、
だけど若い人たちには、それでも未来があるってことを、
二人の微笑みで示してくれた。

さりげなくさわやか

原作に書いてあるかどうか知らないけど、私の想像での話の続きは、
フランクとアニーが、死んだ子の親を見つける旅を受け継ぐといいな、
でも、この街で結婚して、ささやかな幸せを築いてもいいなあ
あと、アニーが病気に気づいて、弟の治療が始まるといいなあ



原作が産まれる基となったという、ポール・ケリー作曲
「so much water so close to home paul kelly」CD


ぽーる



主演三人の演技が映画祭で好評のようです。

エミール・ハーシュ
今まで、わりと極端な役も多く、ゲイやヤク中、
精神世界に入っていったり、激やせしたり太ったり。
本作では、不幸を抱え受け入れた寡黙な若者を、真摯な姿勢で演じているようで、
こんな役もこんなにいいんだぁ〜。とますます応援したくなった。
(太るとジャック・ブラックに近づくが、基本が可愛い顔だしね)

スティーブン・ドーフ
私好みの映画にはあんまり出てなくて、
一番ナイスなのは、「ポルノ☆スターへの道」だぜ!
好きなんだか嫌いなんだか判断つきかねていた俳優。
どっちかっていうと、イケメン扱い?のはずなのに、
性格はいいんだろうな〜 な、ズタボロの兄ちゃん役を、
エミール君同様きちんと見せてくれた。いとおしくなるくらい。

ダコタ・ファニング
ダコタちゃんだもの!演技の期待を裏切るはずが無い!
幼さが魅力の子だったけど、面立ちに、お姉さんというより
おばさんに近いものがちらちら見えて、そこがこの役では、
若いのに人生の辛苦を舐めてしまった女性らしく映り、良かった。


そうそう
ボクシングの試合に賭けるシーンが、タイソンの試合ね。
詳しい人なら、受容な試合だったとわかるんでしょう。

兄、ウイリー・ネルソンが好きみたいで、何回か名前がでます。

舞台のリノは、ギャンブルの街。でも、べガスよりは小規模。


リノ


アニーのいるエルコまで車を飛ばすのね。
リノもエルコも、ネバダ州ってラスベガス以外ピンと来ないから、
大雪振るくらい寒い場所だなんて驚き。ネバダ広い!





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スティーブン・ドーフ
一昔前は若くてキュートなアイドル扱いだんたんじゃ?

「SOMEWHERE」が有名どころ?
あたしはこの映画だめだった。世間一般の、若い
ソフィア・コッポラファンの感覚とはあたしは違うみたい。
やはりダメな、(しかし、若者には受けているらしい)
グザヴィエ・ドラン監督と共通してるな。

主演作なら これが面白かった「ブレーキ」

ブレーキ


初めて知った、お父さんは、映画音楽の作曲家なんだねー。
有名な作品だと、「真・刑事コロンボ/影なき殺人者」
「ピンク・キャデラック」「ブロンコ・ビリー」など

あたしゃ、スティーブン・ドーフと
イーサン・ホークとケビン・ベーコンの顔と名前を
ついつい、ごっちゃにしがちなのだ。
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