アンジェイ・ワイダ監督作の良さって?


ポーランドの名匠
アンジェイ・ワイダ監督

ポーランド広報文化センター



たくさんの作品がありますが、私が見たのは数作。
それも、名作なんだろうに、どうにももやもやとして、
『好き』と言えない作品でした。総て。

「灰とダイヤモンド」
「婚礼」
「大理石の男」
「カティンの森」

くらいだね、たぶん、観たのは


ポーランドという国の
政治、社会の歴史が、体で感覚で理解できてない。
そこがまず、もやもやしてしまう原因のはず。
そういう国の背景からの、監督ご本人の経験からの、
暗く、絶望的な、映画全体から受ける印象で、
入り込めない、好きになれない、ストーリーを飲み込めないんだと思う。

最近観た「菖蒲」は、かなり違った。
現実として身にしみた。登場人物の気持ちに同調した。

菖蒲公式サイト

原題 TATARAK 2009年 ポーランド

出演
クリスティナ・ヤンダ
パヴェウ・シャイダ
ヤン・エングレルト
ヤドヴィガ・ヤンコフスカ=チェシラク
ユリア・ピェトルハ
アンジェイ・ワイダ


菖蒲


異色の映画です。
それは、こんなふうに、三つの構成になっているから。

○女優クリスティナが、夫が亡くなったことについて独白

○映画「菖蒲」の映像

○映画「菖蒲」撮影風景


主人公マルタ役のクリスティナ・ヤンダの夫、ワイダの友人、
撮影監督エドウァルド・クォシンスキが、撮影途中に亡くなり、
ヤンダが綴った夫の最期の日々の手記に胸を打たれ、
この構成になったそうです。





原作があり、そこに描かれた世界は、
戦争で子供たちを失った初老の女マルタは、
体調に変化を覚え、医者である夫に診察してもらう。
過ぎ去った人生を嘆き、現在の若い世代になぐさめを見いだす。
というようなもの。


自分がだんだん、どんどん、老いに近づいて、
人生の終盤を実感できるようになった今だから、
この映画が心に残ったのですね・・・

こたえたセリフ
『ひどく恥ずかしくなるの
自分のまわりに若い命を見ると』


恥、とは、
若い頃の自分がいかに輝いていたかと同時に、
いかに愚かだったかに気づいてしまった 恥。
老いた自分が、醜く哀れに見えることへの 恥。

続いて夫が、「忘れているようだね。生はごく簡単に死に転じる」と言います。

この言葉は、子供たちの死を表すのでしょうが、
若くてうらやましい命も、あっと言う間に歳をとるんだよ。
と解釈してもいいと思う。

このあと、若い青年がこの言葉通りの悲劇にみまわれるわけですが。


菖蒲は、精霊降臨祭で飾られる植物。
ポーランドで菖蒲は、夏本番が始る意味を持つ。
そして、この映画では、<生命の躍動の象徴>=若さを表している。


ああ・・・・・・

あああ・・・・・・・・・・・ 歳とるの ものすごく怖い


若い人には面白くない映画なのかも。



★90歳くらい?
いつまでも映画を作り続ける理由を聞かれた監督、
「死神が来た時、あ、まだやってんだ、じゃまた後で。
みたいなことを期待して」というような返事をしてました。

まだまだ長く生きたいのね。








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