「愛、アムール」


気になってたけど、虚しくなりそうで避けていた映画です。

やはり、三回に分けて見ました。苦しくなっちゃってね、
健康な時でも、これ、映画館で見るのは辛いなー。

だって、我が身の未来ですから。誰しもの、すべての人の。

「老いる」 この、不治の病


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とても長く、深く、考えさせられることになる作品を作る、
ミヒャエル・ハネケ監督作


原題 Amour 2012年 フランス

役名と役者
ジョルジュ : ジャン=ルイ・トランティニャン
アンヌ :エマニュエル・リヴァ
エヴァ :イザベル・ユペール
アレクサンドル :アレクサンドル・タロー



アムール


二人暮らしの老夫婦。
突然、妻の様子に異変がおき、結果半身麻痺に。
二度と病院には戻らない、入院させないでと、夫に約束させる妻。
老人が老人の介護をする日々が始まる。







夫婦が、社会的に尊敬される立場にあったらしいこと、
妻の元教え子が冒頭のコンサートのピアニストなこと、
娘も音楽の仕事をしていること、などが示される。

知性と教養と名声、人格、
すべては、残酷な老いにより崩壊されていく。

張りがなくなりツヤの消えた垂れ下がった肉体は、
蝋人形のようで『生』を感じられない。

娘にも、介護のプロにも、老いた人間の心理はわからない。


いい映画だと思う。
老いを明るく描きがちな、うそっこポジティブシンキング映画に比べたら、
真実を隠さず、きちんと晒してくてた。


結末ですが、同じ、老い・衰えの映画でも、
私は「グッド・ハーブ」に感じた温かさ幸せ感を愛します。
なぜかというと、「愛、アムール」はたぶん老人が主役だから。
死にゆく人物への共感は悲しい。
せめて、次の世代に共感して、映画を見終わりたいと思ったので。


**イザベル・ユペール、もともと狂気な顔で怖いが、
   若返り整形したのか、わけのわかんない別の怖い顔になり、見るのが嫌。
   もしかして、目頭切開もした?妙に目が若くなり、
   唇は、はやりのふっくら注射。 絶対してる!整形。
   自然体だったのは数年前までだと思う。
   この人は、アンチエイジングになんて手をださず、
   枯れた意地悪ばあさんになるもんだと思ってた。むむむ


追記・・・・
ところで、スランスで鳩が象徴するものはなんだろう?
映画にでてくる鳩が意味するものは何だろう?
老人に対する、自由?生命力?




☆メキシコの美しい名作映画「グッド・ハーブ」


ha-bu

だいのおすすめ




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それにしても、
月日の流れを思わずにはいられませんでした。


あまりにも有名な「男と女」「暗殺の森」のジャン
あまりにも有名な「二十四時間の情事」のエマニュエル

輝ける映画スターの 老いた、衰えた、醜くなった姿

倫理的におこられようとも、はっきり言おう、
「老いは醜い」

<若々しい高齢者>と言われようと、
<まだまだ元気><若いもんには負けない>と意気がろうと、

皮膚のたるみ、毛髪のツヤのなさ、少なさ、
顔の崩れ、物腰の不格好さ、

すべてが、見るに耐えないものとなる。 それが老い。


このようなこと、若い子が言ったら不謹慎かもしれないけど、
もう初老と言える私が、身をもって言うのだから、許していただく。
二十年前の自分の写真が、まるきり知らない人のように見える。
それが老いたこと。人生は残酷。

尊厳も、人間性もあったもんじゃない。
オムツも歯抜けもたどたどしい言葉も、
赤ちゃんなら可愛いものを、老いた人間がこうなると、
ただもう、醜く悲しく、健康で若い者にとっては、見たくないよね。

あああああ、歳とりたくない歳とりたくない


コメディドラマ「ザ・ミドル中流家庭のフツーの幸せ」での名台詞

「あー、そうだ!みんな死ぬのが怖いんだ、
 怖いから、それを忘れるために、
 テレビやゲームや映画があるんだ!」



うん、死ぬのこわいけど、老いるの、もっとこわいです。




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コメント

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ロンさん

最初にアンヌのあの姿があり、ここまでに何があったんだろう?と引っ張られました。夫婦が覚悟をきめて、残りの時間を二人で生きることにしたところ、同感です。
私は、見ながら、「あー、可愛い子供よりも、同じ老いを知ってる夫のほうが、一緒にいてほしいものなのだなー」と、若い世代とは到底わかり合えない老いの実体を痛感いたしました。
私もよく、家人に言うと「薬飲まないからだ」「運動不足だ」「医者に行け」と煙たがられる言葉、「痛い・・・痛い・・・」を、一人の時に言ってます。

何処へ
どこへいくのでしょう。人は。老いの先は死。死の後は何も無し。だとは思っていますが。

アレクサンダル・タローというピアニスト、知りませんでした。

重たいけど心に残る良い作品

はいロンです。
昨日WOWOWで観ました。美しく上品なアンヌが為す術も無くに崩壊していく様子を冷徹に描いています。夫ジョルジュの献身的な介護の現実も胸に迫ります。観る者にあなたはこれからどう生きるのかと問いかける映画でした。最後迄目が離せない非常に重たい、そして心に残る良い作品でした。
冒頭のシューベルトの即興曲がとても印象的、又、アリスの「何処へ」のフレーズ「あー悲しいけれど年とってゆく」を思い出しました。