「マイケル・ムーア、語る。」 その3


マイケル・ムーア11年ぶりの書籍だそうです。
「マイケル・ムーア、語る。」



子供のころから社会運動に興味があり、世の中の仕組みに疑問を持ち、
思ったことは実行に移してきたマイケル・ムーア。



マイケル・フランシスムーア



地元ミシガン州フリントにあるGM社の裏を暴く新聞を発行していた時、
新聞の協力者だった一人の神父がマイケルに、
エノラゲイに祝福を与えた従軍司祭だった過去を告白し、
苦しみを吐露する。
「自分がしたこととその結果を自覚し、質問し、間違ったことには意義を唱えるのが
全ての人間の責任だ」
「日本は既に降伏を決めていた充分な根拠があるが、
アメリカはソ連に見せるために原爆を落としたかったんだ」
終戦後神父は、権力者が常にロクでもないことをたくらみ、
貧しい人がいつも犠牲になることを知り、
生涯を平和運動に捧げる決意をした。

そうだよね、戦争の狂ってるところは、
隣人を愛せ・殺すなと言っている宗教さえ、いいように利用するところだ。

レーガンがナチの墓まいりをすると聞いたマイケルが、
厳重な警備を機転のきいた口からでまかせでかい潜り、
意思表示の幕をレーガンに見せた「ビットバーグ」という章もすごい。

こうと思ったら必ずやるのがマイケル・ムーア


失業中にふと本屋で目にしたビジネス誌の広告が面白そうだと、
企業経営者のみの「マキラ・エキスポ’86」に、
レーガン政権が何を企んでるか調べてやる!
と経営者のふりして潜入した章は、企業のトップでさえ騙される、
政府によるマルチ商法並みのインチキに愕然とした。


と、それはそれは大胆で面白くて意義のある、
結果を出す活動をしてきたマイケルが、いよいよ映画に関わることになる話。

ニューヨークの政治コラムニストの友人から、
中西部の極右団体のドキュメンタリーを撮りたいからと協力を頼まれ、
そいつらの集会に行ったらあまりに危険で誰もインタビュアーになりたくなくなり、
「必要ならお安い御用だ」と、引き受けたマイケル。
なりゆきで初の映画出演。

「この映画を見た99人が我々を嫌っても、1人が気に入り参加する。
そうして徐々に仲間が増える」と言った白人至上主義の男の言葉に、
さすがのマイケルも冷水を浴びせられた気持ちになったと書いている。
それでも、「あんたたちが来て欲しい未来なんて来ない」と発言したマイケル。


てな経緯があり、その後、故郷の工場の人員削減10000人を宣言した、
ゼネラルモーターズのCEOに怒髪天を突き、
「俺はもう我慢できない、映画を作る!」と友達に宣言。
ここでの会話が可笑しい。
「俺は映画を作る」
「映画の作り方なんて知らないだろう?」
「俺は沢山映画を観てる」
「そうだな」
「あらゆる映画を観てる」
「お前ほど沢山映画を観てるやつはいないな」
「俺は沢山映画を観てるから、映画の作り方もわかると思う。
だからこの映画を作る」

いいぞ!マイケル  さすがマイケル


で、ニューヨークまで12時間車を運転して、
ネオナチの集会を撮ったドキュメンタリー作家に色々教えてもらう。
その作家ケヴィン・ラファティは、
カフェオレが飲みたくてホームレスに小銭をせびるくらいなド貧乏だったのに、
のちにブッシュの親戚だとわかり、驚いたマイケルが、
俺が政府とブッシュとに対して反対の発言を散々してたたことをどう思うと聞いた。
「叔父とは政治的立場が違うし、家族の事情は複雑だ」の答え。



ケヴィン・ラファティ監督作「アトミック・カフェ」

驚いた!
その昔私は、デートにこの映画を選び、男にドン引きされた経験あり。
ものすごく不機嫌になられ、1日が台無しになり、のちのち他の女にとられた。


経営者のふりして潜入し



ケヴィンの言葉がいい。
当時、フィルム撮影だった映画、金がかかる。
「フィルムが紙みたいに安かったら、横着してなんでもかんでも撮るようになる。」
「フィルム制限時間内で伝えたいことを考えるようになり、現場で頭の中で編集ができる。」





やっとマイケルが映画監督になったんだ!


やったーーーーー!!!


マイケル初監督作「ロジャー&ミー」Roger & Me
GMのCEOロジャー・スミスがロジャー、マイケルがミー



ロジャー&ミー DVD









マイケル・ムーア、語る。その1

マイケル・ムーア、語る。 その2


マイケル・ムーア公式サイト





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「マイケル・ムーア、語る。」 その2


敬愛するマイケル・ムーアの本について二回目のメモ


この翻訳本タイトルは良くないなー
マイケルが威張ってるみたいじゃん、本物タイトルは
「Here Comes Trouble」(トラブルがやってきた)ってことで、
マイケルがいく先々でトラブルが起きる、起こす、ので、誰かに言われてたのかな?
タイトルだけで、ますますマイケルが好きになる。

とはいえ、マイケル・ムーアって文字がタイトルにあったから手に取ったんだけどね。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

続き

神学校を退学(マイケルは退学を言い渡される前に、やめる決心をしていた)
になった後、公立高校に入ってからの事。
校長に「ボーイズ・ステート」に推薦され、マイケルがなんとなく、
社会の為にいいことをしたいと思っていた事が実現する大きな出来事が起きる。

ボーイズ・ステイト、ガールズ・ステイトとは、
ミシガン州全高校から選ばれた生徒が、ミシガン大学で一週間の”政府ごっこ”をする催し。
マイケルは”ごっこ”をサボり、大学寮の管理人室で見つけたレコードを聴いて過ごすが、
ある時『リンカーンの生涯をテーマにしたスピーチコンテスト 主催エルクス・クラブ』
の貼り紙を見て、父親が教えてくれたエルクスクラブ(ゴルフクラブ)の条件を思い出した。
ー白人に限るー を!
優等生たちがコンテストに参加する動機とはまるで別の動機=怒り、で、
奴隷解放をしたリンカーンの生涯を、差別主義のクラブが何語る!と、
クラブを糾弾するスピーチをした。
これが優勝し、テレビや新聞が群がり、ニュースに取り上げられ、
マイケルは意図せず時の人になり、クラブは国中の批判を浴び、
法案が提出され、あらゆる団体での人種差別が禁じられた。

マイケルは決して
品行方正で勉強熱心な優等生タイプの子供だったわけじゃなくて、
いたずらを思いつき実行するのが大好きな、女子には見向きもされないけど、
男友達には人気のあるタイプの子だったみたい。
だけど、大人や社会に対して対等の意識を持った、目覚めた子供だったのね。
目覚めていても、大人の中に入って行動を起こす子供はなかなかいないけど、
マイケルはやるんだ。そこがすごい!


18歳、史上初最年少で公職に就いた時は、暴君の教頭への怒りで立候補した。
普通、頭にくる教師がいたって、陰口言ったり反抗したりするくらいでしょ?
教育委員になって、教育現場を変えてやろうなんて、
17歳(立候補申し込み当時)の子供が思いつくことじゃないよね。
*すでにこの時、初めての脅迫状をもらってる!分別あるらしき大人から



小学生で4回、(一回目は9歳で)
学校新聞を発行しては教師に止めさせられていたマイケル。
22歳の時、地元フリントの新聞が、企業や公職者から金を貰い、
戦争を支持しているのことに文句を言うのに飽き飽きし、
誰を怒らせようとお構いなしの真実を暴く新聞を作った。
*記事を盗んだ新聞社に、犬の糞パイを持って行くところがマイケルらしい。

警察が新聞の事務所を家宅捜査した時には裁判所に訴えマスコミに知らせ、
とうとうプライバシー保護法が可決され、正式な法律になった。  そうだったんだー!

しかし、何をすっぱ抜かれるかわからない新聞社に金を出す企業も個人もほぼなく、
シンガーのハリー・チェイピンが年に一度チャリティコンサートで、
資金を提供してくれていたおかげで何とか10年運営できていた。
その後マイケルは、サンフランシスコの金持ちが金を出す雑誌にヘッドハンティングされたが、
全く意見が合わずクビ。負けずに訴えた。さすが

ハリー・チェイピン 全然知らなかったから聴いてみよっと

Harry Chapin


マイケルが、新聞「フリント・ボイス」をハリーが助けてくれた経緯を話してるのかな?
1977年の動画





政治に関する記述がとても多い本書。
小さい頃から親の方針で、学校の長期休みには、キャンプに行くのではなく、
議事堂の見学ツアーなどの旅行に連れて行かれていた。
小学一年の時、ケネディの就任演説をそらで覚え、
ニクソンがベトナム戦争を終わらせると公約したことを信じて選挙運動に参加し、
(のちにこれを恥じている)
ニクソンは極悪非道の戦犯だと、反戦運動に参加する。

教育委員会では、30も年上の他の委員たちによる違法行為を、
容赦なく何度も提訴した。

19歳で、若者を本当の意味で助ける大人の機関がないと感じ、
コールセンター兼ヘルプセンターを作った。またしても大人たちに疎まれながら。


地元の企業やお偉方の鼻摘まみ者になったマイケルだけど、
読めば読むほどその行動のもとには、
生まれ故郷への愛、国への愛、人間への愛があるとわかる。

ミシガン州フリントWik

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こうして読んでみると、
マイケルはその時その時に気になったこと、怒りに火がついたこと、
面白そうだと思ったことに、『石橋を叩いて渡る』の正反対な行動で突進し、
ちゃんと結果を出していることに驚く。尊敬する。


すげえ、すげえよ、マイケル



今日はマイケルが映画を撮るようになるきっかけあたりを読んでるから、
続きは後日。


前回のはこちら

マイケル、ムーア、語る その1


「マイケル・ムーア、語る。」 その1


私が尊敬する人間の中でも、理想の夫像と思っている
ドキュメンタリー映画作家マイケル・ムーアの2013年出版の本を読んでます。


原題 Here Comes Trouble



全編ユーモア精神にあふれた文章になっているとは言え、
マイケルの半生記が始まる前、エピローグに書かれた章が凄まじい。
2003年のアカデミー受賞式で、「ボウリング・フォー・コロンバイン」が受賞した時の
マイケルのスピーチ直後から始まった、アメリカ国民のマイケルへの憎しみ。
家の前に馬糞を積まれ、ゴミをまかれ、脅迫電話・手紙を受け、罵声を浴びせられ、
殴りかかられ、熱いコーヒーをかけられ、爆破計画を練られ、
ニュース番組の司会者は「マイケル・ムーアを殺したい」と発言する。


ちょうどアメリカ中が戦争に賛同してる時期、
「僕らはノンフィクションが好きだけど、社会は偽物であふれている。
偽物の選挙で選ばれた偽物の大統領が偽の理由で戦争を始めた」というスピーチ。
ミスター・ブッシュ シェイム  なんとかなんとか
「ブッシュ!恥を知れ!」





マーティン・スコセッシ、メリルは拍手したが、
ブーイングされて舞台袖に強制退去させられたムーアに向かい、
「アスホール!」と吐き捨てたスタッフもいた。
ロバート・デュバルは、マイケルを泊めたホテルに文句言った。

これ、嬉しかった。私の好きな人が拍手で、嫌いな人が文句だったから。



Here Comes Trouble



とにかく、この人が思うことやることは、いちいちうなづくことばかりで、
記憶にとどめておきたいことが多すぎて、忘れないように書き留めたら長くなる。
数回に分けて書いておくことにします。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


*マイケルの半生*

母のお産の日どころか、両親、祖母祖父、最初にアメリカに入植した先祖にまで遡り、
マイケルの血に流れて、受け継がれているものが書かれています。
個人的な自書伝を超え、壮大なアメリカ近代史になっています。

祖父の時代の人種差別、カトリックとプロテスタント間の争いは、
現代の感覚で読むとばかばかしすぎて、失笑するくらい狂ってる。
父親が、戦争に行った時の体験を息子マイケルに語る部分には、
戦争の現場の、やはり頭おかしい真実に開いた口が塞がらない気分に。
マイケルが生まれ育った時代(1950年代〜)の、
アメリカとミシガン州の社会通念、人種問題、学校や家庭の詳しい描写もある。


頭のでかい赤ん坊だったマイケル、政治とカトリックに熱心な家庭に育ち、
一年生の時すでに、校長に飛び級させたいと言われるほど利発な子だった。

徴兵事務所に行き、ベトナム戦争に送られる若者の記録を破り捨てる神父や、
キング牧師と行進して逮捕される神父をテレビで見て、
なんとなくいいことをしてる気がして、「俺もああいうことをしたい」と神学校に入るが、
宗教の授業で次々に浮かぶ疑問を神父やシスターにして、
「君は質問しすぎて他の生徒を混乱させる」「君に耐えなきゃなならない人々のために祈る」
と退学させられる。

*マイケルの質問*

・マグダラのマリアとか聖母マリアとか女性がいつも身近にいるのに、
どうして女性は司祭になれないんですか?
・イエスはカトリック教を始めるとは一言も言ってない。
新しい時代のユダヤ教にすると言っただけなのに、カトリック教という考えはどこから来た?
・イエスがキレたのが神殿で金貸しを見た時で、怒って追い出した。ここから学べる教訓は何?
・イエスがここにいたらベトナムに兵士を送ったか?
・聖書にはイエスの12歳から30歳までのことが書かれてない。どこ行ってた?

そして、なぜ神父はセックスしちゃいけないかにも疑問を持ち、
四福音書を全部読み直したところ、どこにもどこにも!
”結婚やセックスを禁じられたとは書いてなかった”し、
カトリック教の神父が最初の千年は結婚してた。11世紀に、ある神父が勝手に禁じた、
ということを知る。


神父の一人が定期購読していたフランスの雑誌では、
”女性たちが、夏は涼しく過ごす”ものだと知った。

小さな水着とかトップレスビーチとかミニスカートとかってことでしょうね。


”それにしても旧約聖書の神ってのはいつもやけに機嫌が悪かったみたいだな。
しょっちゅう部族を全滅させたり、人を鯨の胃の中に入れたりして、
性格に問題があるんじゃないか” という文が可笑しい。



まだまだ先が長い、濃厚過ぎて読み進むのが遅くなる。
続きはまた数日後に書こう。

___________________


5月27日〜公開 ムーアの新作
「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」WHERE TO INVADE NEXT

絶対見るーーーーー!!!

放送映画批評家協会賞ドキュメンタリー賞ノミネート


マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」公式サイト


マイケルムーアの


Trailer












「部屋」 (映画ルームROOM原作)


▪️過去記事をだいぶ消した理由は、当時見知った人でタイホされた人が出たから,
その近辺のことを亡きものにしたかったからです
 びーです▪️



「ルーム」が高評価です。
日本では4月から劇場公開になりますね。

映画公式サイト


著者エマ・ドナヒューは、
世界のあちこちで起きている誘拐監禁事件から着想を得たそうです。


部屋エマ



映画の結末はどうなってるかわからないけど、
監禁から逃げた母と息子の生活も予告編で明かされてるから、
特にネタバレを意識せずに感想を書きます。

その前に、この小説の特色を。
物語は最初から最後まで、
誘拐強姦犯の精子で妊娠させられた息子ジャックの文章で綴られます。
原文は、5歳児の語彙・外を知らない子供の言葉として、擬態語や擬音語を多く使い、
最上級をてんこ盛りに重ねたり、ユニークな英語表記で書かれていて、
翻訳者がその特徴を日本語に生かして訳したそうです。

例えば
「言う」は「ゆう」に、「思い出す」は「おぼえ出す」
小さい「つ」はわざと抜かす、カタカナとひらがなを多く使う、など。

大人にはちょっと戸惑う文章ですが、読んでいくうちに、
ジャックの言葉使いのクセやルールのようなものを察することができるようになります。
また、ジャックの直筆としての文字は、幼児ならではの歪みにしていて、可愛らしい。

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ストーリー

ボクはジャック5さい
<へや>でママと遊んだり絵のついた本を読んだりする
トケイが09:00になると、ボクはオールド・ニックとゆい、
ママが<あいつ>とゆう人が<へや>に入ってくるから、
ボクは<洋服だんす>に入ってスイッチをオフにする
ギシギシする音を終わるまで数えて、
オールド・ニックが<へや>からいなくなると、ママのベッドに入ってもらう
左のほうがクリーミーで美味しい
オールド・ニックももらうのかなー?

<あいつ>はしつぎょうして家が抵当にだから
ボクとママをどうするかママは考えて<外>の本当の事ボクに話して
ママが<脱シュツする>から病気のフリするプランAをやった
オールド・ニックは病院に連れて行かないからプランB<死ぬ>フリをやる

トラックが止まったら走って逃げて<ケイサツ>で<ママをスクウ>

<外>は本物だった
人間がいっぱいいる
音がいっぱいで耳が痛い
<クリニック>のベッドは二つだけどボクはママと寝る
ママは<へや>のことは忘れていいとゆう
ボクは<へや>より<外>がこわい
ママは一つしかのんじゃダメの薬をいっぱい飲んだ
ボクはママが回復するまでおばあちゃんの家に行く

ママがおばあちゃんの家に来て<自立支援住宅>でボクと二人で住む



感想


赤ん坊が産まれて、この子に怖い思いをさせない、
<あいつ>のことは話さない、自分がどんな状況にいるか知らせないと決め、
一歩も外に出ない誰にも会わない小さな部屋での生活を、
子供が毎日健康で楽しく生きられるようにする。
母親の努力に感心した。

母親の怒りはとてもよくわかる
<あいつ>への怒りだけじゃないの。
生還した自分たちへの世間の勝手な思い込みに怒る。
<あいつ>に情が芽生えたと疑い、赤ん坊をなぜ外に養子に出してくれるよう頼まなかったか訝る。
『お子さんに、普通の家族の元で普通の子供時代をおくらせた方がいいと思わなかったんですか?』
『遊園地にも行けるのに』

母親「なぜみんな遊園地って言うんですか!私は子供の頃遊園地なんか大嫌いだったのに!」
私は子供の頃大嫌いだった場所が遊園地だったので、ここですごく共感した。
うるさくて汚くてこわいものだらけで、足が痛くなって迷子になって、
子供は遊園地に連れて行けば楽しがると思ってる大人たちを嫌った。
祭りも同様だけど、遊園地にある食べ物は汚いと思って食べたくなかった。

ジャックが、お金(コイン)を見て疑問を持つところが面白かった。
「なんで5なのに10より大きいの?1も10より大きい。そういうのおバカだと思う。」

私の大好きな絵本「ぼく にげちゃうよ」が何回も出てきて嬉しかった。



著者マーガレット・ワウズ・ブラウン

ぼく逃げちゃうよ



私は、トラウマというものは、どんな治療をしても生涯消えないと思っている。
脳の古い記憶の部分を電気かなんかで物理的に消さないとダメだと思う。
ので、この母と息子が<外>の生活に慣れても、苦しみは増幅されて続くと思ってる。


*どうもジャックに同情でききれないので、なぜなんだろうと考えてみるに、
しょっちゅう「おばかなペニスが立つ」からだと思う。
子供でもオスはオス、それを思うとどうしても可愛そうに思えない私は冷たい人間。


著者の言葉

「私は犯罪を書きたかったわけでも犯人の凶暴性を書きたかったわけでもありません。
困難な状況で生き抜こうとする母と子を書きたかったのです。
子供の視点から語らせれば、ホラーやお涙頂戴にならない。
グロテスクは物語を書く意味は、”正常なるもの””普遍的
なるもの”の本質に光を当てることにある」


_______________________


犯罪の犠牲者が、長年の虐待に耐え自力で脱出する内容の小説を、
アメリカ映画にするとなると、やはり感動にもって行くわけでしょうね。

小説を読んだ限りでは、感動は湧きません。涙、0です。
母親の怒りと息子の戸惑いばかりを感じ、
こりゃ、今後は大変だなー、と心配になって終わりました。

褒めてるのよ、感動寄りになってないところを、褒めてるの。






原作「ベンジャミン・バトン」


◼︎クリミナルマインド7-21にビッグバンセオリーのペニーのパパがいた!



公開当時映画館で観て、その後WOWOWで放送されるたび見ている
大好きな映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」

原作があるのは知ってたけど やっと今頃読みました。

「雨の朝、巴里に死す」も、「華麗なるギャツビー」もどうにもダメだったので、
フィッツジェラルドの文章は私には合わないと思い、なかなか手が出せなかったのです。
(雨の朝、映画は、リズの美しさ以外ダメで、
ギャツビーは、新旧の2本の映画もダメだった)


「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
著者スコット・フィッツジェラルド


フィッツジェラルドベンジャミンバトン



映画とはまるで別物にしか思えない小説です。

ベンジャミンはジジイの外見(新生児じゃない)で生まれてくるし、
親に捨てられないし、金持ちのボンボンらしい道をたどるし、
正式な結婚するし、若返ったら老けた妻に飽きるし、
娘じゃなくて息子できるし、周りの反応もきついし。
デイジーも老人の家も出てこないし。


70歳の外見で生まれたベンジャミン・バトンが、どんどん若返る人生が、
人物描写も心理状態も事柄もおおざっぱ(簡潔に?)にささっと書かれ、
映画のスケールと、繊細に描かれた愛と苦悩を伺えるものは皆無!

ベンジャミンの人柄も、深みのない短絡思考の嫌な奴です。
観客が主人公に好意を持てない原作通りの人物設定だったら、
映画は成功してないんじゃない?

第一、いくらシワシワでも、生まれたのが赤ちゃんじゃなきゃだめでしょ。
原作では、白髪髭面の爺さんが、ベビーベッドからはみ出して
「父さん、ここから出してくれませんかね。せめて揺り椅子でも用意して」
なぁーんてぬかすんだもの。
「何か食べたいと思っても、ミルクの瓶なんか持ってきやがって!
なぁーんて怒鳴るしさぁ。


映画を知らずに読んでいたら、奇妙な小説だなー、くらいで軽く忘れるだろう代物。

やっぱりこの人の書くものは私には合わない。

_______________


*映画化が実現するまでには、ずいぶん回り道をしたようです。

監督フランク・オズ、ベンジャミン役マーティン・ショート
(ブラックコメディの小作品になってたでしょうね。)
監督スピルバーグ、ベンジャミン役トム・クルーズ
(娯楽色の強い映画になりそう)
監督アニエスカ・ホランド(叙情的で私好みになりそう)
 監督パトリック・リード・ジョンソン(B級の危険・・・)
監督ロン・ハワード、ベンジャミン役トラボルタ(勘弁して!)
監督スパイク・ジョーンズ、チャーリー・カウフマン(吉と出るか凶と出るか、な感じ)
監督ゲイリー・ロス(予想できない)



本当、デヴィッド・フィンチャーに決まって良かった〜って結果。

最初に見た時は、
特殊メイクと技術がすげえ!!!と思っただけのブラピ(ベンジャミン)、
数回の鑑賞後、ブラピの演技が素晴らしかったと思うようになった。
外見爺さんだけど子供の時は、いたずらっぽい目をして、好奇心おう盛な雰囲気があったし、
青年になってからの若々しさと戸惑い、行く末を案じて苦悩する姿には、
控えめな演技だけど哀愁が漂っていた。

アカデミー賞では、美術、視覚効果、メイクアップが受賞してたのね。

映画公式サイト





よそ様のうさぎ動画


たまたま見つけた動画にびっくりして、関連動画を検索してみた。






うさぎでもこんなケアができるなんて!と驚く私がアホすぎるんだけど。
うちにいたことのあるうさぎたちは、揃いも揃って超びびりで、人嫌いで、
ストレス受けるとすぐ具合悪くなってたから、こんな手をかける方法を思いつきもしなかった。













あ〜、こんないい方法を思いつかなかった私は なんてバカな飼い主だったんだろう。
足が麻痺したうちのうさぎ、寿命に近かったとはいえ、
少しでも快適な余生がおくれたはずなのに。

思い返すと、今まで、犬でも猫でも、
無知すぎた私のせいで、確実に私のせいで死んだ動物が数匹いる。

無知は怖い 無知は罪だ



ところで
車椅子のうさぎは、
後ろ足で立ってやる毛づくろいはどうなるのかな?
毛づくろいの動画見つからなくてわかんない。




世の中には、と〜っても肝の据わったうさぎもいるのに、
なんでうちに来るうさぎはみんな弱っちかったのかなー?
飼い主のせいか?違う飼い主の違う対応なら神経太くなれたのか?


ストレスに対処できてるらしい堂々としたうさぎ動画

こんなに人のいる自分んちと違う場所で飼い主の思うように行動するうさぎ
第一、嫌がらずにハーネスつけてるのが信じられない




こんなに猫に近寄るなんて、
うちのうさぎは、外で猫の声しただけで円形脱毛症になったのに





水を怖がらないなんて!ああああ・・・ 信じられない
しかし、オスのうさぎは陰嚢があまりにもあれだな・・・・・
やっぱ、メスしか飼いたくないな








「The Secret History of the Rabbit」

うさぎの秘密の歴史、何言ってるかわかんないけど
うさぎの歴史だから保存保存







私が動物飼うと動物がかわいそうだからもう飼わない!

うさぎの里親募集サイトをチラチラ見ては我慢してる。
みんなにいい里親が見つかりますように。

ペットのおうち 小動物里親サイト








「SUE スー 史上最大のティラノサウルス発掘 」


化石一筋に生きてきた古生物学者が、
訳のわからない法律問題にがんじがらめにされ、
愛するティラノサウルスレックスのスーを奪われた顛末を描いた
ドキュメンタリー映画「史上最大のティラノサウルスSueの物語」

この映画を見て、すぐに本を読み始めました。


400ページっくらいあったわ。。。  

大きく分けて3つの事柄が書かれています。

1 世界最大のティラノサウルス化石の発掘後の、
言いがかりとしか言いようのない訴訟、裁判について
2 ピーターが弟ニールと始めたブラックヒルズ研究所の仕事内容
3 古生物学地質学を中心にした学術的なこと

ピーターの文章の合間合間に、
ジャーナリストとしてクリスティンが書いた文章が挟み込まれています。
ピーターたちが、
穴に落ち不条理なゲームをやらされた「不思議の国のアリス」のアリスのようだからと、
共著者クリスティンは、この小説の言葉を借りながら執筆した。
ピーター自身も、裁判を、小説の暴君が仕切る狂ったクローケー試合に見立て、
合衆国政府とのクローケーの試合と表現している。



ピーターラーソン



本の最後部には、
地質年代表・発掘された主要なティラノサウルス標本表・
古生物学が関係する重要事件表・大勢への謝辞 が掲載されています。
たくさんの図・写真もあり、ユーモア交えた文章とはいえ、
わかりやすく書かれた古生物学研究書のよう。
面白かったのは、「現代の化石争奪戦」表。
化石についての問題点が、<三揃いスーツ族の見解><民間の見解>二つに分けて
書かれていて、その違いに苦笑してしまった。

もちろんピーターら現場で泥と汗にまみれて日焼けして、
1日に何キロも歩いて何時間も地べたで作業をする人々は、
<三揃いスーツ族>ではありません。

化石のことを情熱的に語る部分は楽しく、
非情な裁判の部分では怒りで苦しくなりながら読みました。

*驚いた箇所
当時のピーターと日本の恐竜展の関係。
ピーターたちが取り調べを受けていても起訴されても、
プロジェクトディレクター城岡充夫は全くためらわず、
TBS放送は、もう一体のTレックス スタンの一年間の巡回展示の後援をし、
伊藤恵夫という解剖学者でアマチュア古生物学者が国際間の仲介役を務めたそうです。
全然知らなかった、そんな展示があったなんて。そんな事情があったなんて。
ピーターたちが苦しんでいた時に、
FBIが何してても気に留めずプロジェクトを進めた日本人がいたとは!

(バブル時代に日本が化石価格の相場を釣り上げたという説もあるが)

ピーターは、アメリカ人から見た日本人についてを
『日本人の完璧主義(←そうなの?)に少しばかり引け目を感じ、
学生や労働者の規律正しさ(←そうなの?)には少々妬ましさを覚え、
日本の文化遺産にはやや疎い』
と書いた後、ブラックヒルズ研究所は日本人に命を救われた、と書いています。
恐竜に対する飽くなき情熱を目の当たりにし、日本ほどスーを愛した国はないと。

政府の横暴に 精一杯頑張って弁護の策を練った 弁護士、(負けたけど)
スーを競り落とす資金を出した(落とせなかったけど)、
サウスダコタ州の事業家で慈善家のスタンフォード・アデルスタイン、あっぱれ。

マクドナルドとディズニーに金出してもらってスーを展示したフィールド自然史博物館、
展示初日にピーターを招待しなかったそうです。なんだよ!



本が書かれてから10年以上たった現在、化石発掘には、
土地政策や法律問題が今も立ちふさがっているのだろうか?

スーの第一発見者スーザンは、アメリカの法制度に嫌気がさし、
フランスに移住して仕事をし、「Hunt For The Past」という自伝を出し、
その後ホンジュラスに移ったらしい。


_____________________


映画について トッド監督とピーターのインタビュー動画。
どんな時でも発掘用の服装のピーターは、その見た目ゆえ、
お偉方に化石泥棒呼ばわりされた。。。





映画の感想

史上最大のティラのサウルスSueの物語

ピーターたちは、出版後も、精力的に発掘・研究に励み、
裁判で大打撃を受けたブラックヒルズ研究所は大きく発展し、
2013年にはほぼ完全な状態のトリケラトプスを発見したそうです。

ブラックヒルズ研究所WEBサイト



その後、 2005年にスーは来日したそうですが、
フィールド博物館は絶対に外にスーを出さないから、レプリカだったのですね。

今月 上野で恐竜展があるのね。

恐竜博2016公式サイト