「わたしはダニエル・ブレイク」




敬愛するケン・ローチ監督の新作

原題 I, DANIEL BLAKE 2016年
    イギリス/フランス/ベルギー

出演
デイヴ・ジョーンズ
ヘイリー・スクワイアーズ
ディラン・フィリップ・マキアナン
ブリアナ・シャン

ケイト・ラッター
シャロン・パーシー
ケマ・シカズウェ

わたしはダニエル・ブレイク公式サイト


ダニエルブレイク




心臓発作をおこし、足場から落ちた大工のダニエル・ブレイクは、
仕事を医者に止められたため、役所に給付金を申請に行く。
しかし、複雑で馬鹿馬鹿しい手続きや、
PCを使わずには申し込みもできない仕組みに困り果てる。
役所で、規則で申請を拒否された母子と知り合い交流するようになるが、
貧困状態のダニエルには、若い母親の生活を助けることまではできない。







ケン・ローチありがとう

あなたの、貧しい人々、社会の仕組みに振り回される人々への愛が、
とてもとても伝わってきました。
いつもながら、なんていい<人間映画>でしょう。

一市民ダニエル・ブレイクが主役ですが、私は、
シングルマザーが食料の配給所で、
空腹のあまり隠れるようにして缶詰を開け、
汚れるのもかまわず頬張ったシーンに胸が詰まった。
泣かずにいられなかった。
貧しさがどれほど人を惨めにさせるか、痛いほどわかるシーンでした。

あと、子供達のための最低限の食べ物は買えたけど、
女には必需品の、生理ナプキンは買えないところ。辛すぎる
世界のほぼ半分は女で、女はほぼ40年間生理になるというのに、
これを映画やテレビできちんと見せてくれることは稀。
やっぱ、ケン・ローチはすごい人だ


ダニエルは、私たちのヒーローなんだよね。
敵を倒さなくても、有名じゃなくても、
ダニエルみたいな人こそ、本当のヒーローなんだ。

*ケン・ローチはきっと人間を信じているから
ダニエルをああいう風に描いたけど、
困っている母子に手を差し伸べる男は、たとえ爺さんでも、
絶対にSEX目当てです!経験上。
ダニエルみたいな男は奇跡です。ファンタジーです。
シングルマザーさん、夢をみてはいけません。
______________________

最初に、
ーこの映画の収益を、貧困に苦しむ人々を支援する団体に、
有料入場者1名につき50円寄付いたしますー
という内容のテロップが出ます。

この日本の配給会社の配慮に対しても、ケン・ローチは、
感謝を述べるだけでなく、チャリティは一時的なもので、
政府に訴えていかなければならない、
政府に、「チャリティが(間違った社会システムに)ツケを払える」
と思わせてはならないと言っています。

ケン・ローチ、大・大・大好き





ヒューマントラスト有楽町では、セカンドハーベスト・ジャパンという
日本のフードバンクを通じて食べ物を寄付するため、
一ヶ月以上賞味期限のある缶詰を集めていました。

私は武蔵野館で観たので協力できなかったけど、
他の活動機関に、引っ越しの整理で出た大量のCDを送りました。
書き損じハガキや使用済み切手や破損した宝石類も役立ててくれる。

ハンガー・フリー・ワールド




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「幸せなひとりぼっち」


▪️昼下がりのカフェで、何人も同席相手が変わる
不思議なチャラ男を見た。アムウェイの勧誘だった。
しかも、別のテーブルに行って、
「俺のグループを荒らすな」的な文句つけてた。アムウェイ・・・・・



原題 EN MAN SOM HETER OVE 2015 スウェーデン

オーヴェって呼ばれる男っていう、シンプルないいタイトルなのに、
日本のあまっちょろい感傷的なタイトルの付け方にヘドがでる。

監督 ハンネス・ホルム 

出演
ロルフ・ラスゴード
イーダ・エングボル
バハー・パール
フィリップ・バーグ
カタリナ・ラッソン

主演の爺さん、どっかで見た気がする、と思ったら、
大好きな大好きなスウェーデン映画「太陽の誘い」
の主演者だったーーーーー!

「太陽の誘い」過去記事



しあわえな


オーヴェ 59歳 規則と秩序が何より大事な頑固ジジイ
妻は先立った

43年勤めた会社をクビになり、妻のもとへ旅立つ決心がつく
何回死ぬ準備をしても、そのたびご近所の邪魔が入る
文句タラタラ言いながらみんなの世話をする
(親切心からではなく真面目さゆえ)

毎日妻の墓に行き、なかなか行けなくてごめんよと話しかける







ちょこちょこクスッとしてしまうシーンがあって、
私は笑っちゃったんだけど、隣はずっと泣いてて、
あ、笑っちゃ失礼かしらん?と申し訳なく感じたりして

でも、年寄りの自殺シーンが何度も出てくるのに、
こんな風に笑えるっていうのが、この映画のいいところ。

爺さんが、車の車種にこだわって友達と仲違いするところ、
贔屓のサッカーや野球のチームで半目するのとおんなじだけど、
男って・・・・   って思いましたわ。

冷めた私の目には、
いちゃもんつけてくる爺さんに何かと声かける、
押しの強い隣人や近所の人たちの行動があまり理解できず、
あんなジジイは普通避けるよな、とか、
こういう夫婦愛は奇跡だな、とか、 ファンタジーを見るような目で見ました。

爺さんの回想シーンはとても素敵でしたけどね。

夫婦愛も恋愛も信じてない私には、
「シンデレラ」よりも「スノウホワイト」よりもおとぎ話ではありますが、
とてもいい映画であることは違いないです。



原作者は、自分の父親のエピソードをブログに書いたら、
コメントでたくさんの父親に共通点があると知り、小説に膨らませたそうです。
そうよね、歳とるといろんなことに腹がたち、頑固になっていくものよね。

監督、最初に小説の映画化のオファーが来た時、
<頑固で気性の荒い爺さんの話なんてみんな興味わかない>
と、一度は断ったそうです。
で、原作を読んで考え直したそうね。

「幸せなひとりぼっち」公式サイト




「世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方」


■息子の引っ越しゴミの中から、まさかの大量のモーニング娘DVD発見



原題 QUATSCH UND DIE NASENBARBANDE 2014 ドイツ

QUATSCHはは、アカハナグマ、クアッチの名前

出演
<ハナグマギャング団>子供達は全員映画初出演
村の大人たちは俳優


「ツバル」が生理的にダメだったファイト・ヘルマー監督の作品だけど、
あれとは全然違って良かった〜



⚪︎イチゴミルクの作り方を教える映画ではありませぬ


世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方」公開決定


僕らの村はポラースドルフ。ここにはなんでもあるの。
電車も汽船もクレーンも風車もね。
僕ら6人はみんな仲良し、ハナグマのクアッチも友達なの。


ポーラスドルフは
ドイツの真ん中でヨーロッパの真ん中の村と気づいたある会社。
真ん中だから人々も平凡でフツーに違いない!だから、
新商品をフツーの人に試させて人気が出れば世界中で売れる!
金儲けできるぞー!

と目論んだ(銀色人)たちが、
村人を『平凡は素晴らしい、私たちは選ばれた』と洗脳し、
村に会社を作り、みんなを新商品の実験台にした。

平凡でフツーじゃない村の変わり者老人たちはホームに入れられ、
おじいちゃんやおばあちゃんを大好きな孫たちはプンプン。
フツーじゃなくて世界一になればおばあちゃんたちを閉じ込めないはず。

クアッチの知恵を借り、子供達は、世界一になる何かを作り始める。







そうそう、大人の言うことなんかきかなくていいよー。
大人はばかだよー。


めちゃめちゃで痛快でファンタジックでリアルで、
とんでも可愛くて、幸せな気持ちになれる映画。


全体的に とにかくとにかく色が可愛い

子供達の歌もセリフも全部自然に子供で、自然にぎごちなく、
自然に音が外れたり自然に笑ったり、
訓練された名演技の子役とは違う可愛さ素晴らしさ嬉しさ。

子供の映画は、ハリウッド映画なんかより、
ヨーロッパ映画の方が断然好き!

ハナグマの動きも適度の編集技で、
わざとらしさ満載の昨今のアニマルCGがゲスに感じる。

村の家々、クレーンも汽車もコンクリートミキサーも、
スーパーに並ぶ商品もパンもミルクも牛も、
何から何まで全部可愛い!
原作があるのかと思っちゃったくらいの、
児童文学だったら絶対長年のベストセラーになりそうな、
とーっても愉快な作品でした。

サイコー


見て 見てぇ〜











*子供には、
隅々まで描きこみすぎてグロテスクなCGアニメや、
飾り立てて想像力を失わせるディズニー映画なんか見せないで、
こういう映画を原語版で見せるべき。




「クリミナル 2人の記憶を持つ男」




原題 CRIMINAL 2016 イギリス/アメリカ

監督アリエル・ヴロメン 

出演
ケヴィン・コスナー/ライアン・レイノルズ
ゲイリー・オールドマン
トミー・リー・ジョーンズ
アリス・イヴ
ガル・ガドット
マイケル・ピット
ジョルディ・モリャ



クリミナル 2人の記憶を持つ男



CIA職員が拷問の末殺され、彼の記憶を失いたくない上層部は、
記憶の移植を研究している科学者に、職員の記憶移植を依頼する。

選ばれたのは凶暴な犯罪者。
初の人体実験は成功するのか?






<記憶の移植>
こういう科学的テーマの話は好きです。


なぜ、あの男が受容者に選ばれたかの説明がなくて、
想像するに、人体実験になるから、普通の人ではできない。
身寄りのない死刑囚ならよかろうと決めたのかな?


ケビン・コスナーの映画は、安心して見ていられる
 その訳は、

エロを感じないから。

これ、監督が違ってもそうだから不思議なんだよねー。


ケビン・コスナーの顔、雰囲気は、悪人には見えません。
悪いやつの役をやっててもどこかに品がある。
別にファンじゃないけど、この人に悪いイメージはもてない。
だから、最初の頃、極悪非道で感情のない社会病質者の犯罪者なら、
もっとほかの役者が合うのになー、と思いながら見てましたが、
そういう役者がやってたら、
後半にかけてのちょっとした切なさや温かさは出ないと思うから、
やっぱりケビン・コスナーでよかったのかも。


苦手な、カーチェイスや爆発や銃撃に神経傷んだけど、
ケビンの生来の持ち味に救われました。

_________________

この映画を見る気になったのは、この記事を読んだから。

シネマズ


嫌な記憶をピンポイントで消せるなら、ぜひ!やりたいんだけど、
どの病院が、どの医者がやってくれるんだろう?いくらで?
井ノ口さん、教えて!!!



「ザ・コンサルタント」



まさか、こう来るとは!!!!
ああ。。。 あたい 不覚にも泣きそう
なんか、これ、好きぃ 

そんな映画感想


原題 THE ACCOUNTANT 2016年 アメリカ

監督はギャヴィン・オコナー 
脚本もうまいんだろうと思い名前を見てみたら、
「ジャッジ 裁かれる判事」の人でした。なるほどねー。
この人は常に、人間の絆、家族の心情に重きを置いて生きてるんだろうな。

出演
ベン・アフレック
アナ・ケンドリック
アリソン・ライト
J・K・シモンズ
ジョン・バーンサル
ジェフリー・タンバー
シンシア・アダイ=ロビンソン
ジーン・スマート
ジョン・リスゴー



雑魚mんサルタンと



1 アパートでの殺人事件。被害者は犯罪組織の人間らしい。

2 高度機能障害や自閉症の子供たちを無償で引き受け、
一人一人の能力を大切にする施設の経営者のもとに、
ある夫婦が息子を連れていく。

3 犯罪組織の資金洗浄を任されている と政府が睨んだ一人の会計士。
常に偽名を使い、経歴も顔も謎のままの男の正体を、
引退前になんとしても突き止めたいと、
政府の捜査官が優秀な部下に調査を命じる。

4 巨大企業で、女性会計士が不審な会計記録に気がつき、
優秀だと紹介された会計士が企業に雇われる。







いくつもに分かれたプロットですが、
全てがラストに向けて一つになっていく。
まるで、最初の頃に出てくる自閉症の子供がやっていた
パズルのピースが埋められていくように。

このパズルの使い方がうまいんだなー。

ネタバレせずには語れないことが多いのでもどかしいですが、
謎の電話の声、冒頭の事件の真相、捜査官の真実、
特に、謎の声が誰なのか、誰なのかで驚くだけじゃなく、
その誰かがどういう人なのかと、二段階で驚き、嬉しかったのです。

世の中で起きている様々な犯罪行為には、
正義がなされない法の状況もあり、
そこんとこにムカついてきたあたしには、
実に小気味のいい話であり、胸が暖かくなるラストでありました。


地味に生きてるような男の裏の顔が殺し屋っていう、
ありがちなクライムアクションかと思ってたら、
いやー、意外でしたわ。嬉しいギャフン、ですわ。

ジェイソン・ボーンと比べる人もいるみたいだけど、
全然違うと思うなー。動機も能力も出目もまるで違うし、
あたしは、主人公もストーリーも、断然こっちの方が大好きだー

そんで、ぬぼら〜としたベンアフの風貌が役にうまいことあってるんだなー、
「ゴーン・ガール」のときもそうだったけど、態度のはっきりしない、
人に思考を隠したのぼんとした夫の役を、
特に演技がうまいとも感じさせずに演じるのがうまい?
このひとなに?  やっぱ、嫌いになれない。

見終わったあとだと、原題の<会計士>がぴったり来ると思いました。
会計士さんが人知れずものすごいことをしている、
ものすごい人生を生きてきた、しかも、
あくまでも会計士として優秀だからできていることなの。


いいもん見た